本HPではオペラ・バレエ等のあらすじを、立体的に理解できるようA4サイズにまとめ、PDFでダウンロードできるようにしています。

系図によるヘレネーとアンドロマケ

基礎データ
台本
エウリピデス(BC480頃~BC406)が、BC425頃に完成。
初演
ペロポネリス地方アルゴスかギリシャ北西部モロッシア。
時代
トロイ戦争後、ギリシャのテッタリア地方プティアの女神テテュスの神殿。
主な登場人物
ヘレネー
レーダーと白鳥の姿の神ゼウスが交わったときの娘で、史上最高の絶世の美女。 スパルタ王である義父が決めたメネラーオス(アガメムノンの弟)と結婚したが、 トロイの王子パリスと不倫した。パリスは、トロイ戦争で死に、その弟同士がヘレネーの 取り合い喧嘩をし、デーイポポスが勝ち再婚した。しかし、そこでメネラーオスと戦い 殺された。ヘレネーは、メネラーオスに連れられスパルタに帰国した。 しかし、「トロイ戦争を起した張本人である。」としてオレステスに成敗された。
ヘルミオーネ(ラシーヌではエルミオーヌ)
ヘレネーの娘。父メネラーオスは、オレステスと婚約させたが、トロイ戦争終了時に、アキレスの子ネオプトレモスとも婚約させた。ネオプトレモスは、戦争終了時にイオニア海沿岸の都市エーペイロスに連れて行き、居を構えた。しかし、そこには、戦争奴隷アンドロマケと二人の子モロッソスがいた。子供ができなかったヘルミオーネは、二人を殺そうとしたが失敗し、許嫁のオレステスが来て、連れて行ってくれた。追いかけてきたネオプトレスと決闘となったが、オレステスが勝ち、幸せに過ごした。
アンドロマケ(ラシーヌではアンドロマック)
キリキアのテーベの王の娘でトロイ側の総大将ヘクトールの妻。しかし、アキレスに殺されたため未亡人になった。ミケーネ側のアキレスの子ネオプトレモスから結婚を希望されたが拒否し、トロイ側のヘクトールの弟ヘレノスと再婚した。ネオプトレモスに息子の助命を嘆願したが、残忍に殺された。
ネオプトレモス(ラシーヌではピリュス)
パリスに殺されたアキレスの子。トロイ陥落時、アンドロマケに求婚したが断られ、ヘレネーの娘ヘルミオーネと結婚した。しかし、子供ができずオレステスとの決闘で殺された。
オレステス(ラシーヌではオレスト)
トロイ討伐隊の総大将アガメムノンの息子でミケーネの王子だが、トロイ戦争には参戦していない。ミケーネとスパルタの王を兼務した。アガメムノンに対する恨みで、アイギストスとクリテムネストラを殺すが、母殺しについてアポロンとアテナの許しを得た。伯母のヘレネーも成敗した。ネオプトレモスは決闘で殺した。正義の味方である。
A4版を読む前に

パリスの審判

 ペレウスと海の女神テテュスの結婚披露宴で、争いの神エリスの悪戯により3人の女神が争い、トロイの王子パリスの審判が必要になった。

トロイ戦争

 パリスの審判で、浮気性なヘレネーが選ばれ、アカイア人を中心としたミケーネ王国連合とトロイ王国が、10年間にわたり戦争することになった。

亡きヘクトールの弟ヘラノス

 ヘラノスは、トロイ戦争終了後、性格が正反対の二人の女性を追いかけた。

 若い女性ヘルミオーネを追いかけずに、亡き兄の不倫相手だった絶世の美女のヘレネーと、亡きヘクトールで寡婦になったアンドロマケという最強の女性達である。/p>

 ヘレネーは、兄のデーイポポスとの綱引きの末に負けたが、アンドロマケとは、結婚することができた。アンドロマケは、ミケーネ側のネオプトレモスの妾の立場には我慢したが再婚は拒否していた。ネオプトレモスが死ぬと、亡き主人の弟ということでヘラノスと健やかに過ごした。

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 andromache.pdf

「引用」
・ 翻訳:松平千秋「アンドロマケ」(㈱筑摩書房)
・ 解説:ウィキペディア