バレエ「ダフニスとクロエ」

時間

第一幕 30分
第二幕 13分
第三幕 17分

基礎データ

作曲 モーリス・ラヴェル(1875年~1937年)が、36歳の1912年に完成。
台本 2~3世紀頃、ギリシャのロンゴスの作品「ダフニスとクロエ」に基づいて、ミハイル・フォーキンが書いた。
初演

1912年6月8日にパリのシャトレ座で、セルゲイ・ディアギレフ(1872年~1929年)のロシア・バレエ団によって、ピエール・モントゥー指揮で初演。ミハイル・フォーキンの振付、ヴァツラフ・ニジンスキーのダフニス、タマーラ・カルサヴィナのクロエ他で行なわれた。

主な登場人物

ヤギ飼いのダフニス 荘園で、ヤギに育てられているのを、ヤギ飼いラモンに拾われて、育てられた。
羊飼いのクロエ ニンフの洞窟の中で、羊に育てられているのを、羊飼いドリュアースに拾われて、育てられた。
牛飼いのドルコン 牛飼いでクロエをものしたいが、うまくいかない。
人妻リュセイオン ダフニスを誘惑するが、うまくいかない。

A4版を読む前に

 原作者はギリシャのロンゴスで、エーゲ海の北東部レスポス島(lesbian)のミュティレーネーという町が舞台となっている。
  原作では、ダフニスとクロエの恋心の芽生えから、それが次第に成熟して結婚するに至るまでの一年半が描かれ、美しい自然描写と重なり牧歌的な世界へ誘っていく。しかし、ロシアバレエ団用の振付台本では、ダフニスとクロエの恋の成熟過程を大幅にカットしている。
ここでは、原作の各場面を下記のように箇条書きにして、バレエ化された場面には、「B」と記した。
 音楽はラヴェルの曲を使用するが、カットされた恋の成熟過程に焦点を当てた振付も上演される。

《第1部》
 ① ダフニスとクロエは、小さい時から牧草でなんでも一緒に仕事した。
 ② ニンフの洞窟でダフニスの美しい身体を見て、クロエは恋心を抱く。
 ③B ドルコンは、クロエに恋していたが、ダフニスと言い合い
   (バレエでは踊りで競う。)し負ける。
 ④B クロエからご褒美に接吻されたダフニスは、初めてクロエに恋心を抱く。
 ⑤ 海賊が上陸しダフニス(バレエではクロエ)を拉致するが、死をかけて
  ドルコーンが救出。
 ⑥ 二人の恋の炎が燃え上がる。

《第2部》
 ①B 二人は、町の人気者でありお互いに嫉妬し合ったりもしたが、
   ニンフの祭壇への祈りは欠かさない。
 ② 二人の燃え上がった不安感が、恋であり、恋には三つの段階があることを教わる。

 ③B 隣町と戦争(バレエでは海賊の来襲)になりクロエが拉致されたが、
   3人のニンフとパンの神のおかげで、クロエは「松の枝の冠(注1)」を
   かぶりながら解放された。
 ④B ダフニスの養父ラモーンの「パンの神とシュリンクス(注2)」の
   説明に合せてダフニスとクロエは踊る。ダフニスが笛を借りて吹くと、誉められた。
 ⑥ ダフニスとクロエは、恋の第三段階に進むことをしないが、幸せを感じている。

《第3部》
 ① 春になり二人は第三段階に挑戦するが、その先がわからずダフニスは泣き出す。
 ②B ダフニスは、人妻リュセイオンに、その先を教えてもらった。
   (バレエでは、相手にしなかった)。
 ③ 縁談が舞い込むクロエが嫁入りしないように、ダフニスはニンフに相談する。

《第4部》
 ① クロエから、ダフニスを引き離そうという連中が現われる。
 ② ダフニスとクロエの身元が判明し、共に裕福な出身であることがわかり結婚する。
 ③ 二人は、第三段階に進んで幸せに過ごす。

  パンの神は、羊と羊飼いを守る半獣神で、下半身がヤギのようで頭に角を持つので見栄えは良くない、といわれている。パンの神は、ダフニスとクロエの恋は守ってくれたが、下記の二人のニンフへの恋は失敗する。
(注1)ニンフのピテュスが、松の枝になる。
 パンの神は、ニンフのピテュスを追いかけるが、逃げきれないと悟ったピデュスは松の木に姿を変えた。パンの神は、その想い出として「松の枝の冠」をかぶるようになった。
(注2)ニンフのシュリンクスが、笛になる。
 パンの神は、アルテミスの侍女で美しいニンフのシュリンクスと出会ったが、森に住む神々が嫌いで、口説きを聞かずに逃げ出す。川の土手まで追いかけられ捕えられそうになるが、ニンフの助けにより、彼女は川の葦になった。パンの神は、その葦を切り取って笛を作り、それを「シュリンクス」と呼んだ。
 ドビュッシーが作曲した「牧神の午後への前奏曲」は、マラルメの「半獣神の午後」を題材として作曲しており、パンの神の美しいニンフへの幻想を表現している。

下記をクリックして、バレエ鑑賞の参考にして下さい。
ロンゴス作「ダフニスとクロエ」こちらからダウンロードできます daphnisetchloe2.pdf

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 daphnisetchloe.pdf

「引用」
・ 翻訳:松平千秋「ダフニスとクロエー」(㈱岩波書店)
・ 参考:田川暁子「演奏会解説書」(第190回新交響楽団HP)
・ 参考:中村五郎「牧神のお話」(鎌倉男声合唱団牧神HP)

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