本HPではオペラ・バレエ等のあらすじを、立体的に理解できるようA4サイズにまとめ、PDFでダウンロードできるようにしています。

系図によるオイディプスとアンティゴネー

主な登場人物
ラーイオス
テーバイの王。「息子に殺害される」という神託を受けていため、妻のイオカステーと交わらないようにしていたが、間違って生まれてしまい山の中に捨てた。
しかし、神託が成就してしまった。
イオカステー
父が、太陽神ヘリオス、母が、オーケアノスの娘ペルセイース。
ポセイドンがエロス経由で愛の矢を射たれ、牡牛と交わらされて怪物ミノタウロスが産まれた。
ディオニソス
母であることも知らずにオイディプスと結婚し、4人の子供を産んでしまった。それを知り、自殺する。
オイディプス
実の両親のことを知らずに大人になり、父を殺し、母と結婚し、それを知り、絶望の余り自分で目をえぐり、テーバイの王を辞して、放浪の旅に出てアテネのテセウスが迎えてくれた。
アンティゴネ
オイディプスの長女。両親の恐ろしい事実を知るが父と共に放浪の旅に出る。
父の死後テーバイに戻り、殺害された兄が反逆者として遺体が埋葬されていないのを見て、埋葬して自害した
        
A4版を読む前に

 オイディプスの悲劇は、神の神託と偶然の産物であるが、アンティゴネーの悲劇は、領土に関する争い、兄弟間の権力闘争、人間のやさしさ等、登場人物全般に人間性がでたドラマとなっている。
オイディプスが生まれたテーバイ(現在のティーヴァ)は、アテネの北西60㎞にあり、アイオリス人のポリスであった。
歴史的には、BC371に、テーバイは、エパメンノンダス将軍が考案したファランクスという斜線陣営と神聖隊を駆使して、ペロポネソス同盟の盟主で人材育成、軍人育成が厳格なスパルタ教育のスパルタ王国と戦いギリシャの覇権を握った。
神聖隊とは、150組300名の男性の恋人同士によって編成されていた軍隊で、愛する相手に惨めな姿を見せようとせず、かつ恋人を守って戦うだろうとの想定のもと設立されたためである。
テーバイはエリスとならび、男性の同性愛がもっとも行われた都市で、少年愛で知られたヘラクレス崇拝がさかんで、男性同性愛者のカップルが互いの愛を誓い合う場所として利用された。
その後、エパメイノンダス将軍が戦死し、戦闘教義を継承したのが、その時テーバイへ人質として送られていたマケドニア王国のピリッポス2世(当時は王子)であった。
その戦術を改良した彼は、逆にアテナイ・テーバイ連合軍を破り、ギリシアの覇権を手中に収め、またその王子のアレクサンドロス3世はこの戦術に騎兵を併用することでペルシャからインドまでを侵略した。

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 oedipus.pdf

「引用」
・ 翻訳:高津春繁「オイディプス王」(㈱筑摩書房)
・   翻訳:中務哲郎「アンティゴネー」(㈱岩波書店)
・   解説:ウィキペディア