歌劇「ドン・カルロ」

時間

第一幕 30分
第二幕 65分
第三幕 37分
第四幕 60分
第五幕 25分

基礎データ

作曲・完成

ジュセッペ・ヴェルディ(1813年~1901年)が、53歳の1866年に完成。

台本 フランソワ・ヨーゼフ・メリとカミーユ・デュ・ロークル
原作

 ヨハン・クリストフ・フリードリッヒ・フォン・シラー(1759年~1805年)の戯曲「スペインの太子、ドン・カルロス」
  史実によれば魅力がありそうもないドン・カルロスを、理想主義・自由主義者であるシラーが戯曲にした理由は、権力者側の人間が民衆のために反逆し動いたという1点にあります。

初演 1867年3月11日にパリ・オペラ座。ナポレオン3世、エウジェニ皇后他多くの貴賓客が鑑賞した。しかし、皇后他のカトリック教徒の反感、歌手達等のやる気のなさによる演奏の貧弱さ等により成功とはいえなかった。

主な登場人物

ドン・カルロ(テノール)  フィリッポ2世の長男。結婚を引き裂かれるが婚約者エリザベッタを忘れることができない。ロドリーゴの提案に基づきフランドルの民衆のために立ち上がろうとするがあまり興味ないせいか、これもうまくいかない。最終的にロドリーゴの自己犠牲により愛と民衆のために動く機会を得た。
エリザベッタ・ディ・ヴァロア
(ソプラノ)

 フランス王アンリ2世の次女。愛するドン・カルロと婚約していたが、スペイン国王との結婚に変更となりスペイン王妃となった。
  ドン・カルロへの愛を断ち切るが、国王への不信・侍女エボリの裏切りにより現世での幸せを諦め、天上での世界でのカルロとの再会を考え始める。

ロドリーゴ(バリトン)  ポーサ伯爵とも言われシラーが創作した人物で、民衆から喜ばれる支配者像を求める理想主義者です。自己犠牲によりドン・カルロに期待する。
エボリ公女(メゾ・ソプラノ)  エリザベッタ王妃の女官で国王の愛人でもある。なぜかドン・カルロを愛している。恋敵の王妃エリザベッタに復讐するが、懺悔することも忘れていない。
フィリッポ2世(バス)

 神聖ローマ帝国皇帝カルロ5世の長男でスペイン国王曰く「王妃がフランスから来た時に、最初に私の白髪を見た時の、あの悲しそうな顔。」また、「王冠が権力を与えてくれても王が夜眠れば陰謀が起き、王冠を失うと同時に夫としての名誉さえ奪われる。」

宗教裁判長(バス) 90歳の盲人であるが、国王より強固である。
修道士(バス)  サン・ジュスト修道院で、前国王カルロ5世の墓所から出てくる修道士。

A4版を読む前に

 このオペラの初演はフランス語による5幕版でしたが、長すぎるのでヴェルディ自身によりイタリア語による4幕版として改訂されました。しかし、ドン・カルロとエリザベッタの婚約時代の場面を含む5幕版でないと、ストーリーの繋がりが良くないのでイタリア語による5幕版も出版されました。本HPでもストーリーの繋ぎを重視し5幕版で作成しています。

このオペラのテーマを、5人の主役毎に要約すると下記の通りです。

 ①ドン・カルロの断ち切れない愛による苦悩。

 ②エリザベッタと国王への不信感と裏切りにより人間不信

 ③民衆に愛される政治を願う理想主義者ロドリーゴの自己犠牲。

 ④フィリッポ2世の権力を持つ者の苦悩と家族愛を得られないことによる苦悩。

 ⑤エボリの復讐と懺悔

 豊富な題材と重厚な音楽が盛り込まれた名作です。

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 doncarlo.pdf

「引用」
・ 翻訳:河原廣之「オペラ対訳本」(おぺら読本出版)
・ 解説:永竹由幸「最新名曲解説全集第19巻」(㈱音楽之友社)

オペラ

バレエ

その他