歌劇「フィデリオ」

時間
第一幕 70分
第二幕 60分
合計 2時間10分
基礎データ
作曲
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン(1770年~1827年)が、1805年35歳の時に、第1稿を作曲した。
原作・台本
フランスの台本作家ジャン=ニコラス・ブイイ(1763年~1842年)の「レオノーレ」による。
【第1稿】
 舞台監督ヨーゼフ・ゾンライトナーが自由なドイツ語訳による3幕形式
【第2稿】
 シュテファン・フォン・ブロイニングが2幕形式で改訂。
【第3稿】
 宮廷歌劇場の監督兼詩人ゲオルグ・フリードリッヒ・トライチュケとベートーヴェン自身が、2幕形式で改訂して、題名は、「フィデリオ」に変更された。
主な登場人物
フィデリオ(メゾ・ソプラノ)
男装してフィデリオと名乗っているが、フロレスタンの妻のレオノーレである。
フロレスタン(テノール)
貴族であるが、刑務所長を批判したので、刑務所に捕らわれている。
ロッコ(バリトン)
刑務所の番人
マルチェリーネ(ソプラノ)
ロッコの娘
ヤキーノ(テノール)
門番
ドン・ピツァロ(バリトン)
刑務所長
大臣ドン・フェルナンド(バス)
フロレスタンの友人
A4版を読む前に
            

《概略》

 18世紀中頃スペイン・セヴィリア近郊の刑務所の中が舞台である。

 そこの刑務所の地下牢には、政治犯のフロレスタンが幽閉されている。彼は刑務所長でもある、政敵のドン・ピツァロの不正を暴いたため、恨みを受けて監禁されてしまったのである。これを知っているのは、牢番のロッコだけで、フロレスタンの妻レオノーレは、男装してフィデリオと名乗り、ロッコの手下として潜入している。そしておりあらば、夫を救出しようと時を窺っている。

《初演年月日と時代背景》

 

【1804年12月2日】

 ナポレオンが、フランス皇帝となる。

 

【1805年9月25日】

 第三次フランス大同盟のメンバーであるイギリス・神聖ローマ帝国・ロシア等のうち、神聖ローマ帝国軍が、ドイツ・シュトゥットガルト近郊のウルムで、ナポレオン軍に敗れる。

 

【1805年11月13日】

 ウィーンも、ナポレオン軍に占領される。

 

【1805年11月20日】

 第1稿をウィーンで初演。序曲には、現在の「レオノーレ二番」を使用した。

 

 現在の「レオノーレ一番」は、生前に演奏されなかった。なお、観客席には、占領後なので多くのナポレオン軍兵士がいた、という。

 

【1805年12月4日】

 チェコのアウステルリッツの戦い(ブルーノ近郊で、ロシアの作家トルストイの代表作「戦争と平和」の題材となった)で、オーストリア・ロシア連合軍が、ナポレオン軍に敗れる。

 

【1806年8月6日】

 神聖ローマ帝国皇帝フランツ2世が、称号を放棄したので、神聖ローマ帝国は消滅した。以降、オーストリア帝国となる。

 

【1806年3月29日】

 第2稿をウィーンで初演。序曲には、現在の「レオノーレ三番」を使用した。

 

【1806年12月23日】

 ヴァイオリン協奏曲を、アン・デア・ウィーン劇場で初演。

 

【1808年12月12日】

 交響曲第5番、第6番を、アン・デア・ウィーン劇場で初演。この時期、ベートーヴェンは、才能が開花した。

 

【1810年5月4日】

 マリア・ヴァレフスキーが、ナポレオンとの間の子アレクサンドルを出産。

 

【1812年】

 ナポレオン軍がロシア軍に敗退。

 

【1814年5月23日】

 第3稿をウィーン・ケルントナトーア劇場で初演。序曲には、現在の 「フィデリオ序曲」を使用した。現在の「レオノーレ三番」を第2幕の間奏曲に使用したのは、グスタフ・マーラーであった。

 

【1814年4月16日】

 ナポレオンが皇帝を降りて、エルバ島に流される。

 

【1814年9月1日】

 ウィーン会議が開催される。

 

【1815年6月9日】

 ウィーン議定書が締結。

 

【1815年6月18日】

 ブリュッセル近郊のウォータールーの戦いで、ウェリントン公爵率いる連合軍に、ナポレオン・フランス軍が敗北。

 

【1818年】

 ピアノソナタ第29番を完成させた。

 

【1821年5月5日】

51歳のナポレオンが、南アフリカに近いセントヘレナ島で死去。

 

【1822年】

 

ピアノソナタ第30番、第31番、第32番を完成させ、第九交響曲、荘厳ミサ曲も作曲中であった。

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 fidelio.pdf

「引用」
・ 解説:前田昭雄「最新名曲解説全集第18巻」(㈱音楽之友社)