時間 | |
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第一幕 | 40頁 |
第二幕 | 39頁 |
第三幕 | 35頁 |
合 計 | 114頁 (上演例が見当たらず、岩波文庫の頁数とした) |
基礎データ |
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台本 |
ポール・クローデル(1868年~1955年)が、61歳の1929年に完成。 |
初演 |
1943年11月25日に、パリ・コメディ・フランセーズでジャン・ルイ・バローの演出。 |
時代 |
スペインが世界に覇を唱えた16世紀後半で、舞台は全世界。 |
主な登場人物 |
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プルエーズと召使の黒人女ジョルバラ |
ドニャ・プルエーズは、若く美しく健康なペラージュの妻。 |
ペラージュと家臣バルタザール |
ペラージュは、プルエーズの夫でスペイン国王の大審問官であり、アフリカ北部海岸の総司令官の任にある。 |
ロドリッグと中国人召使 |
国王からアメリカの副官に指名される。 |
カミーユ |
モール人でペラージュの従兄弟のドン・カミーユは、モガドールの副官だが、プルエーズを愛している。 |
スペイン国王と宰相 |
史実と異なるが、想定はカール五世。宰相は、アメリカ統治にロドリッグを推薦し、国王は了解する。 |
イザベル |
ドン・フェルナンの妹で、ドン・ルイスと駆け落ちしようとする。 |
A4版を読む前に |
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【4日間通した「繻子の靴」のあらすじ】 《あらすじ》 16世紀後半のスペインを中心とした舞台で、4日間通しての主役は、ロドリッグである。 1日目から3日目までは、ロドリッグとプルエーズの「すれ違いの愛」が、また、カール五世により任命されたアメリカ副王としての活躍が主題で、4日目は、フィリペ二世から追放処分を受け、安らぎを求め始めるロドリッグ、が主題である。 ロドリッグの「すれ違いの愛」は、アフリカ海岸で、偶然、嵐で漂着しプルエーズに出会い、激しい恋心を抱くことになる。二人は、その後、3度会う機会があったが、プルエーズの結婚の秘蹟に妨げられて、その恋を遂げることができず、天上の世界に持ち越しとなるという。 《3度の会う機会》 ①ロドリッグは、プルエーズから会いたい旨の手紙を受け取る。ロドリッグは、喜び勇み会いに行くが、ミュジークの駆け落ち騒ぎに巻き込まれ、重傷となり、約束のバルセロナの場所で会えなくなった。プルエーズは、ロドリッグが養生している場所に会いに行くが、制御が働き、会うことをやめる。(1日目~2日目) ②スペイン国王カール五世は、モガドールを放棄することを決めたので、監督の任に当たっていたプルエーズに帰還命令を出し、その迎えをロドリッグに命じる。喜び勇んで迎えに行くが、プルエーズは制御を働かせ「モガド-ルに残る」とだけ伝える。(2日目) ③プルエーズは、ロドリッグに助けを求める手紙を出す。10年経過してようやくロドリッグがその手紙を読み、アメリカ大陸での任務を捨てプルエーズに会いに行き、ようやく再会する。しかし、「もう遅すぎるし、あなたとの愛はこの世で結ばれてはいけない。」と言われ、結ばれない。(3日目) 《プルエーズとの再会に「制御」が働いた3つの理由》 ①プルエーズは、片方の繻子の靴を聖母像に捧げ、道を踏み外しそうな時には、自分を制御するよう、祈る。(1日目) ②聖ヤコブは、地上で引き離された恋人同士を天上で結びつける、予兆を語る。(2日目) ③プルエーズは、夢の中で守護天使に死を望み、天上の世界での再会を望む。(3日目) 《プルエーズと三人の男》 ①ペラージュは、年老いた夫で、精神的に結ばれてはいるが、死んでしまう。 ②ペラージュの死により、モロッコのモガドールに一人残され、不安を感じてロドリッグに手紙を出すが会いに来てくれないので、モガドール支配を維持するために、カミーユと再婚し、一人娘を産む。しかし、カミーユと共に爆死する。 ③ペラージュの死後、モガドールを守るために、ロドリッグに助けを求める手紙を出すが、十年後に来る。 《その他の役》 ①イザベルは、ドン・ルイスと駆け落ちしようとするが、ロドリッグの勘違いにより殺され駆け落ちに失敗し、アメリカに向かうロドリッグに同行し、ドン・ラミールと結婚する。 ②ドニャ・ミュジークは、ペラージュの前妻の娘であるがナポリの副王との結婚を夢見る。 【1日目の「繻子の靴」のあらすじ】 ≪ロドリッグから見た話≫ 国王から、アメリカの副官になるよう言われたロドリッグは、一目惚れしたプルエーズから、バルセロナでの再会を希望するラブレターをもらう。しかし、会いに行く途中聖ヤコブの巡礼団が襲われると勘違いして戦い、重傷を負う。その戦いで、フェルナンの妹の恋人ドン・ルイスを殺してしまう。 ≪プルエーズから見た話≫ 年老いた夫のペラージュの任地アフリカに行くことになるが、その前に、愛するロドリッグとバルセロナで再会できるようラブレターを出す。警護役のバルタザールには、「悪いことをするつもりはない。」言う。また、出発前に、バルタザールと一緒に聖母像に、「道を踏み外さないよう。」祈る。ロドリッグが負傷し、死にそうなことを知り、「私はあなたのものよ!」と言いながら、会いに行く。 ≪カミーユから見た話≫ カミーユは、人妻であるプルエーズに愛を告白する。 ≪イザベルから見た話≫ ドン・フェルナンの妹イザベルは、聖ヤコブの巡礼に紛れてドン・ルイスと駆け落ちしようとする。しかし、勘違いしたロドリッグにより、駆け落ちは失敗し、ドン・ルイスは死ぬ。 ≪ミュジークから見た話≫ ペラージュの前妻の娘ドニャ・ミュジークは、ナポリの王様との結婚という夢物語の旅に出発する。 |
A4版(PDF) |
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このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。) 詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 lesoulierdesatin1.pdf 「引用」 |