時間 | |
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第一幕 | 28頁 |
第二幕 | 35頁 |
第三幕 | 24頁 |
第四幕 | 35頁 |
合 計 | 122頁 |
基礎データ |
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台本 |
アルベール・カミュ(1913年~1960年)が、25歳の1938年に完成。 |
時代 |
ローマ帝国第3代皇帝カリギュラ(AD12~AD41)が題材。 |
初演 |
1945年9月26日、パリ・エベルト座、ジェラール・フィリップが主演。 |
主な登場人物 |
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カリギュラ |
29歳のローマ帝国第三代皇帝。妹ドリジュラを愛していたが、死んだ。 |
シピオン |
詩人でカリギュラの友人であるが、カリギュラに父を殺された。 |
セゾニヤ |
30歳代のカリギュラの情婦。 |
エリコン |
隊長で元奴隷。 |
ケレア |
冷静な臣下。 |
A4版を読む前に |
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カミュは、44歳の1957年に、「不条理」をテーマにしながら「人間の良心に対して鋭い目で真摯に見つめ出している」という理由で、ノーベル文学賞を受賞している。 この作品は、作者自身によって「不可解なものへの情念」が主題であり、「その情念の荒れ狂うさまを示し、その荒廃を顕揚し、その挫折を炸裂させる」ことを意図した、と説明されている。 ①不可能なものの象徴としての「月」を、手に入れたい理由 幸福だったカリギュラは、妹であり情婦であったドリュジラが突然、死んだため、神々が支配する残酷なこの世を「耐えがたい」不条理なものと考え、是が非でも「不死の世界、不可能なもの」つまり「月」を、手に入れたいと決心した。しかし、手に入れることはできなかった。 ②財政改革を行う理由 カリギュラは、皇帝の立場から、人と金のどちらが重要なのか考え、人間はすべて死ぬ運命にあるので、幸せでなく、財政の安定つまり金を重視し財政改革を重視する論理を構築することにした。(第1幕8場) その論理を実現するために、「耐えがたく不条理な運命が不可解なものである以上、おれ自身が神々になってやる。」あるいはまた、「神々に比肩する方法はただ一つ、神々と同じく残酷になること。」と考えた。 そして、皇帝として絶対的な権力を有するカリギュラは、際限のない彼の自由を、徹底的な財政改革行為に向けるのである。カリギュラにより、平和で理想的といわれていた治世において、自らが批判を浴びても、論理を追求して、「ペストになって」改革を実現させることにした。 ③クーデターへの期待 冷静な臣下ケレアは着々と暗殺計画を進める。その計画は第3幕3場で回状板のかたちで事前に露見するが、カリギュラは、重臣ケレアの前でその証拠の回状板を松明で焼却する。 カリギュラは、自分に逆らう彼らの行動も、窮屈な論理から離れて休息になると言う。また、第3幕6場でのケレアの論理に対して、「最後までやり通せ。」と言い、「お前の皇帝は休息を求めている」つまり、クーデターをおこす許可を、与えたのである。 |
A4版(PDF) |
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このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。) 詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 caligula.pdf 「引用」 |