本HPではオペラ・バレエ等のあらすじを、立体的に理解できるようA4サイズにまとめ、PDFでダウンロードできるようにしています。

「アンドロマック」

時間
第一幕 30分
第二幕 25分
第三幕 31分
第四幕 28分
第五幕 31分
合 計 2時間15分
基礎データ
台本
ジャン・ラシーヌ(1639年~1699年)が、28歳の1667年に完成。
初演
1667年11月17日、29歳になったルイ14世(1638年~1715年)の御前のヴェルサイユ宮殿のマリー・テレーズ王妃(1638年~1683年)の居間において、ブルゴーニュ座の役者による。
主な登場人物
オレストと家臣ピラード
ギリシャの大将で亡きアガメムノンの王子オレストは、いとこでスパルタの王女エルミオーヌを愛している。
エルミオーヌと侍女クレオーヌ
スパルタの王女エルミオーヌは、ギリシャの武将ピリュスを愛している。
ピリュスと家臣フェニックス
ギリシャの武将ピリュスは、敵方トロイヤの英雄ヘクトールの未亡人アンドロマックを愛している。
アンドロマックと侍女セフィーズ
トロイヤの英雄ヘクトールの未亡人アンドロマックは、一貫して亡き夫ヘクトールと息子に対して愛を捧げている。
A4版を読む前に

「アンドロマック」の主役四人は、次の順番の「片思いの連鎖」の関係にあり、交互にストーリーが展開される。
  ①オレストは、エルミオーヌを愛しているが、弄ばれる。
  ②エルミオーヌは、ピリュスを愛しているが、弄ばれる。
  ③ピリュスは、アンドロマックを愛しておりどうにか結婚するが、殺される。
  ④アンドロマックは、亡き夫と息子を愛している。

【第1幕】
  ①オレストは、アンドロマックの息子をギリシャ側に引き渡すようピリュスを説得する
   ために宮廷に来たが、実は、エルミオーヌに会うのが目的である。
  ③ピリュスは、アンドロマックに愛を告白する。
  ④亡き夫に対する貞節を誓うアンドロマックは、受けてくれない。

【第2幕】
  ②エルミオーヌは、愛するピリュスから冷たくされており、嘆いている。
  ①オレストは、エルミオーヌに求婚するが、含みを持つ返事をされる。
  ③ピリュスは、アンドロマックの嫉妬心をあおるためにエルミオーヌとの結婚を宣言する。

【第3幕】
  ②エルミオーヌは、ピリュスとの結婚を喜ぶ。
  ④アンドロマックは、ピリュスに息子の助命を嘆願する。
  ③ピリュスは、アンドロマックに自分と結婚するなら、息子を助命するという。

【第4幕】
  ④アンドロマックは、息子を助命するためにピリュスとの結婚を決断する。
  ②エルミオーヌは、ピリュスから結婚を破棄され怒る。
  ①エルミオーヌは、オレストにピリュス殺害を、結婚の条件にする。

【第5幕】
  ②エルミオーヌは、ピリュスに対する愛を忘れようとする。
  ③ピリュスは、アンドロマックと結婚するが、オレストに殺害される。
  ①オレストは、エルミオーヌに、ピリュス殺害を報告するが、「恋に狂った女の言う
   ことを、真に受けた。」ことを激しく罵られ、絶望し半狂乱になる。
  ④アンドロマックは、ピリュス殺害後の義務を忠実に果たすべく、女王として君臨する。
  ②エルミオーヌは、ピリュスの遺骸の上で短刀を握りしめ自殺する。

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 andromaque.pdf

「引用」
・ 翻訳:渡邊守章「アンドロマック」(㈱岩波書店)
・ 監修:渡邊守章