バレエ「ラ・バヤデール」

時間
第一幕 57分
第二幕 38分
第三幕 20分
基礎データ
作曲
レオン・ミンクス(1826年~1917年)が、51歳の1877年に完成。
台本
マリウス・プティパ・セルゲイ・フデコフ。
初演
1877年1月23日にサンクトペテルベルクのマリインスキー劇場で、マリウス・プティバの振付で初演。
主な登場人物
舞姫ニキア
ソロルと愛し合っているが、ソロルを自分の娘と結婚させたい領主の仕掛けた毒蛇にかまれ殺される。
高名な戦士ソロル
聖なる火に、ニキヤと愛を誓ったが、領主ラジャーの命令により娘ガムザッティと結婚させられるが、神の怒りを買い死ぬ。しかし、ニキヤから許され救済される。
領主ラジャー
後継を考えて、娘ガムザッティの婿に、高名な戦士であるソロルを指名する。
ガムザッティ
父ラジャーが選んだ婿のソロルが、自分を愛してくれていない。
大僧正
ニキアをものしたいが、うまくいかない。
ラ・バヤデール
インドの寺院に仕える舞姫達のこと。娼婦であったともいわれる。
A4版を読む前に

 バヤデールの一員のニキヤと戦士ソロルは、聖なる火の神に愛を誓った。しかし、ソロルが、誓いを反故にして、領主の命令によりその娘と結婚しようとしたため、神の怒りをかって寺院は崩壊し全員死ぬ。しかし、ニキヤの強い愛によりソロルは天国に導かれ、救済されるという話です。

【ソロルが領主の娘に乗り換えた理由は?】

①ニキヤよりガムザッティの方が綺麗だった。

 第1幕第2場前半で、「ソロルは、初めてガムザッティに会い、その美しさに驚く。」他方、同場後半で、「ガムザッティは、初めてニキヤに会い、その美しさに驚く。」という二つの場面があります。女性の美しさは、男性と女性では捉え方が異なるので、比較はできないのですが、ソロルのその後の場面から推測すると、綺麗かどうかが問題なのではなく自分にどちらがふさわしいか、と言うことのようですので、乗り換えた理由にはならないようです。

②ソロルが高名な戦士であるといえども宮使いの辛さで、領主の命令には逆らえない。

 仮に、ガムザッティが綺麗でなかったとしても、領主の命令には逆らえないでしょうから、理由としては、こちらではないでしょうか。もちろん、一緒に死ぬという判断もあり得たとは思いますが。ヴェルディのオペラ「アイーダ」のラダメスは、第4幕で国王の娘アムネリスの求愛に応じれば、死ぬことはなかったのですが、死を選びました。

【ニキヤってどんな女性?】

①第1幕第2場後半の場面で、ニキヤが、短剣を掲げてガムザッティに向かう場面があります。この場面は、第3幕後半との繋がりで考えると、強い女性ということになるのでしょうか。

②第1幕第3場後半の場面で、毒蛇にかまれて死にそうな時に、大僧正の差し出す解毒薬を受け取らずに死を選びます。将来に繋がる誘いでないので、当然の判断をしています。

③第3幕後半の場面で、ニキヤの亡霊がソロルの結婚式を邪魔しに来ます。これは、ニキヤの執念というより、火の神が、ニキヤを送り込んで領主達に警告している。その警告も効き目がないので、火の神への誓いを軽んじる寺院を崩壊させるという解釈も可能です。しかし、強い女性ニキヤの強い愛の執念、という解釈も繋がりが良さそうに思います。

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 labayadere.pdf

「引用」
・ あらすじ:HP「名作ドラマへの招待」
・ 参考DVD:ナタリア・マカロワ振付「2006年ミラノ・スカラ座公演」