歌劇「アンナ・ボレーナ」

時間

第一幕 90分 (ウィンザー城)
第二幕 90分 (ロンドン塔)

基礎データ

作曲・完成 ガエターノ・ドニゼッティ(1797年~1848年)が、33歳の1830年に完成。同年11月10日に台本をもらい、約1ヶ月で仕上げたとのこと
台本 フェリーチェ・ロマーニが作成。ドニゼッティのために9作品の台本を書いている。
初演 1830年12月26日にミラノ・カルカーノ劇場で大成功であった。

主な登場人物

アンナ・ボレーナ(ソプラノ) イングランド王妃アン・ブーリンを想定
国王エンリーコ(バス) イングランド国王ヘンリー8世を想定
ジョヴァンナ・ディ・シーモア
(メゾ・ソプラノ)
アンナ付の女官で国王の次の王妃ジェーン・シーモアを想定
リッカルド・パーシ卿(テノール) アンナのかつての婚約者
スメトン(メゾ・ソプラノ) アンナを密かに愛している宮廷楽師
ロシュフォール(バス) アンナの兄でアンナに王妃になるよう仕掛けた

A4版を読む前に

 1536年のイングランド国王ヘンリー8世と、その王妃アン・ブーリンの離婚を題材としています。

 史実によれば、42歳にして男子の跡継ぎができない国王は、46歳の前王妃との離婚を可能にするためにローマ・カトリックから英国国教会に国教を移行して、当時26歳の知的にして快活なアン・ブーリンと再婚した。しかし、女子(後のエリザベス1世)は生まれたものの男子は生まれなかったのでアン・ブーリンを不貞による反逆罪として斬首刑にし、別の女性ジェーン・シーモアと再婚したというものです。その再婚により男子が出生しましたので、そこで跡継ぎ問題は落ち着いたようです。

 このオペラでは、アン・ブーリンが二回目の流産をした後、不貞発覚により反逆罪として有罪になるところまでを描いていますが、国王、アン・ブーリン、ジェーン・シーモアを中心として、「権力と両立しない愛」と「前妻の犠牲の上で成立した愛」による苦悩をテーマとしているもので、単に史実をなぞっているものではありません。
後者については、自業自得であり共感できないという方もいるかも知れません。

 ところで、6回結婚したヘンリー8世の王妃達の中で、なぜアン・ブーリンだけが有名なのでしょうか。要約すると次のことと思います。
①「お手つきするなら結婚が条件よ」と、絶対的権力を持つ国王を手玉にとる度胸を持ち、
教養が高いヘンリー8世と台頭に太刀打ちできる社交性、交渉力等身につけていた。
②アン・ブーリンのために国王は英国国教会を国教に変えた。その結果、「ユートピア」の
著者である同時代人のトーマス・モアさえも斬首刑となった。
③ヘンリー8世が斬首刑にするほど強い女性であった。
④イギリスを強国にしたエリザベス1世の母親であった。

下記をクリックして、オペラ鑑賞の参考にして下さい。

「ヘンリー8世と6人の王妃たち」こちらからダウンロードできます。 annabolena2.pdf

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 annabolena.pdf

「引用」
・ 翻訳:河原廣之「オペラ対訳本」(おぺら読本出版)
・ 解説:藤本一子「最新名曲解説全集第18巻」(㈱音楽之友社)

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