本HPではオペラ・バレエ等のあらすじを、立体的に理解できるようA4サイズにまとめ、PDFでダウンロードできるようにしています。

オペラ「利口な女狐の物語」

時間
第一幕 25分
第二幕 35分
第三幕 30分
合 計 90分
基礎データ
作曲
レオシュ・ヤナーチェク(1854年~1928年)が、70歳の1924年に完成。全9作の内7本目である。
台本
ルドルフ・ティエスノフリーデク(1882年~1928年)のブルーノの新聞に掲載された絵物語が、1921年に単行本になったのを、ヤナーチェクが作曲しやすいように手直しした。
初演
1924年11月6日にブルーノ国民劇場で、フランティシェク・ノイマンの指揮で初演。
主な登場人物
女狐のビストロウシュカ(ソプラノ)
小さい時から苦労したため賢く立ち回っている。夜になると人間の女性に変身するが、森番の家族に反抗して逃走し自立していくが、隙を見せたため偶然被弾して死ぬ。
森番(バリトン)
森の自然と動物達を愛する森番で、女性に変身する女狐とも結ばれ、大自然を享受している。女狐が死んだ後も彼女を忘れられない。
雄狐のズラトフシュビテーク(ソプラノ)
女狐に一目惚れし結婚して、子供がたくさん産まれた。
バーセク(テノール)と妻パスコバ(ソプラノ)、司祭(バス)と校長(テノール)
居酒屋の経営者夫婦と居酒屋の常連客。昔の女性の話で盛り上がるが、女狐にからかわれる。
密猟者ハラシュタ(バス)
婚約者のテリンカに女狐の毛皮を送るために、鉄砲を乱射し、女狐を撃ち殺した。
        
A4版を読む前に

原作は、狡猾な女狐中心の物語であったが、ヤナーチェクがオペラ化するにあたり、女狐を人間の女に変身させ人間と交わりを持たせたり、森の美しさを讃え、動物と人間と自然の融合が感じられるオペラになっている。美しい前奏曲と間奏曲が多い。

女狐は、用心深いが好奇心も強く、環境適合力を有しており、生きるための狡猾さを備えており、世界中に女性に化ける女狐伝説がある。

狸にも、ずる賢さがあるとされているが、おとなしく臆病なので、ずる賢く化けるというよりも、「しらばくれる」とか「狸寝入りする」、ということのようです。

狐も狸もイヌ科に属するが、狐が北半球に生息する肉食系に対して、狸は草食系で、東アジアに生息する。

なお、狐うどんの由来は、狐は油揚げが好きだからであり、狸うどんは、挙げ玉の中身を抜いたからたぬき、とのことでした。

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 vixen.pdf

「引用」
・ 翻訳:「利口な女狐の物語」(HP:オペラ対訳プロジェクト)

・ 翻訳:関根日出男監修「利口な女狐の物語」(日本ヤナーチェク友の会編)

・ 解説:林光「最新名曲解説全集第19巻」(㈱音楽之友社)