本HPではオペラ・バレエ等のあらすじを、立体的に理解できるようA4サイズにまとめ、PDFでダウンロードできるようにしています。

歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」

時間
第一幕 53分
第二幕 20分
基礎データ
作曲
ピエトロ・マスカーニ(1863年~1945年)が、26歳の1889年5月27日に、楽譜出版社ソンツフォーニョ社主催の1幕物オペラ・コンクールに応募するために作曲し提出したが、優勝する。
原作
シチリア島カターニャ出身のジョヴァンニ・ヴェルガ(1840年~1922年)は、イタリア・リアリズムの代表的な作家。40歳の1880年に、シチリアの山間部での生活を短編小説と戯曲にした。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」はその中の一編で、「田舎の騎士道」といった意味。
台本
マスカーニと同じリヴォルノでの幼なじみジョヴァンニ・タルジョーニ=トッツェッティと同郷人のグィド・メナッシによる。リヴォルノは、トスカーナ州にある地中海に面した都市。
初演 1890年5月17日、ローマ・コスタンツィ劇場で初演し、大成功であった。
主な登場人物
サントゥッツァ(メゾ・ソプラノ)
トゥリッドゥの婚約者。しかし、トゥリッドゥの気持ちは離れている。
ルチア(アルト)
教会の広場に面した居酒屋を経営している。息子の素行を知らない。
トゥリッドゥ(テノール)
ルチアの息子で、居酒屋を手伝っている。元の婚約者がローラで、現在の婚約者がサントゥッツァ。
ローラ(メゾ・ソプラノ)
アルフィオの妻だが、元の婚約者トゥリッドゥと不倫している。
アルフィオ(バリトン)
陽気な馬車屋だが、妻の不倫を知り、トゥリッドゥに決闘を挑み、殺す。
A4版を読む前に

 サントゥッツァは、トゥリッドゥと愛し合っていたが、トゥリッドゥの元の恋人でアルフィオの妻となったローラと愛し合っていることを、知る。サントゥッツァは、トゥリッドゥと言い合いの末、冷たい仕打ちを受ける。そこに偶然アルフィオが来たので、思わず、妻ローラの不倫を告げてしまい、悲劇が起きる。

 ローラは端役ですが、このオペラの悲劇の原因はローラにある。次の三つがポイントです。

 ①サントゥッツァは、ローラの悪女ぶりを指摘する。

 ・トゥリッドゥは、ローラと永遠の愛を誓っていたが、軍隊での兵役中に、ローラはアルフィオと結婚してしまった。軍隊で気持ちがすさんだトゥリッドゥは、サントゥッツァと愛し合うようになる。

 ・ローラは、幸せなサントゥッツァに対して嫉妬し、アルフィオの妻でありながら、トゥリッドゥを誘惑し、愛し合う。

 ②サントゥッツァは、ローラから皮肉を言われる。

 罪を犯していて教会に入らないサントゥッツァは、ローラから「広場でミサを聞いているのか?」と皮肉を言われ、「主は何でもお見通しで、教会には罪のないと思う人が行く所。」と言い返す。ローラが教会に向かい、再度二人になったところで、トゥリッドゥがローラの味方をするので、サントゥッツァは怒りをぶつける。

 ③サントゥッツァは、アルフィオへ告げ口する。

 押し倒されたサントゥッツァは、教会に逃げるトゥリッドゥを呪うが、偶然、教会に向かうアルフィオと出会うので、思わず、妻ローラの不倫の話をしてしまう。

A4版(PDF)

このPDFを出力して劇場に持参し、各幕前に読んで頭に入れておきますと数倍楽しくオペラをご覧いただけます。(上演中は周りの方々にご迷惑とならないようにお願いします。)

詳細の資料はこちらからダウンロードできます。 cavalleriarusticana.pdf

「引用」
・ 翻訳:戸口幸策「カラヤン指揮ミラノ・スカラ座のCD解説書」(ポリグラム㈱)
・ 解説:門馬直美「最新名曲解説全集第20巻」(㈱音楽之友社)